身体の向こうのあなたと私を感じる旅へ
官能=感応の共同体への誘い

他者やものとの触れ合いと結びつき、愛着と相互侵犯。その経験を通して、私たちの日常感覚はときに異化され、解放される。身体の物理的な境界を超えた、世界への感応と共振を描き出す官能の人類学

本書全体を通して描き出されるのは、個々の身体の物理的な境界を超え、世界と感応し合い、共振し合う圧倒的に豊かな身体経験の世界である。それは、遠い異世界のエピソードではなく、読者が秘めやかに抱いてきた官能経験とどこかで通じ合うものであることを、私たちは願っている。なぜなら、本書の各章が試みているのは、特定の身体の色やかたち、音や匂いの描写にとどまらない、未知のあなたとわたしが感応=官能を通して交わる場、第七官界への誘いであるからだ。(「序章」より)

官能の人類学―感覚論的転回を超えて
著者:石井 美保 編、岩谷 彩子 編、金谷 美和 編、河西 瑛里子 編
出版社:ナカニシヤ書店
体裁:A5・296ページ
定価:本体3,000円+税
ISBN:9784779516443