戦争末期の1943年から遂行された国策、満洲報国農場。終戦時には70近くの農場が存在したが、その実態は長く顧みられずにきた。農林省の役人や農学者たちが牽引したこの国策により、東京農業大学の実習生や多くの若者たちが辛酸を嘗め、死へと追いこまれた。命を支える農業を研究する農学が、そして学生を育むべき大学が、棄民に加担した事実に迫る。

農学と戦争 知られざる満洲報国農場
編著者:足達 太郎 (著), 小塩 海平 (著), 藤原 辰史 (著)
岩波書店
体裁:四六・並 ・カバー・266頁
定価:本体2,500円+税
ISBN:9784000018265